患者さんにやさしい内視鏡検査Endoscope
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消化器疾患の日常診療の中で、内視鏡検査は今や必要不可欠なものですが、患者さんからみるとまだまだ苦しい検査の一つです。
当クリニックでは、最も細いカメラを導入していますが、それでも、咽頭反射の強い患者さんや、痛みを感じやすい患者さんには辛い検査となることがあります。
- 無痛内視鏡
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そのような患者さんでも、鎮静剤を投与し眠っている状態にすることで、苦痛をほとんど感じることなく検査を行うことができます。
一人ひとりにあった量の鎮静剤を検査前に注射します。
実際はウトウトするくらいの軽い量ですが、丁寧な内視鏡操作でほとんどの方が検査中のことをあまり覚えていないか、
なんとなく記憶がある程度だったとおっしゃいます。
検査後、声をかけると、「もう終わり?」「こんなの初めて」「これならまたしてもいい」という声を耳にします。
苦しみをがまんして内視鏡を行う時代ではありません。
検査時には心肺モニターを用いて呼吸循環器系の変化に注意を払います。 検査終了時や、万が一、呼吸・循環抑制などが強く生じた場合には、直ちに鎮静作用を打ち消す薬を投与し対処いたします。 十分な注意を払い、十分な副作用対策を行うことで、苦痛のない内視鏡検査を安全に行うことができます。
- 経鼻胃内視鏡
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経鼻内視鏡は内視鏡が舌根部に触れず嘔吐反射がおこりにくく、口が自由に動くため検査中会話ができるなどのメリットがありますが、
反面、鼻腔が狭い方だと内視鏡の挿入が困難、検査中、鼻腔痛をきたすなどのデメリットもあります。
今まで一番問題視されていたのは内視鏡が細いための画質の低下、光量の低下による病変の見逃しでした。
しかし、10年ぶりにフルモデルチェンジしたOlympus EVIS LUCERA ELITEと最新の経鼻内視鏡XP290Nの組み合わせにより画面がとても良くなり、
さらにNBIシステムの使用により早期がんの発見が確実に行えるようになりました。まだ、デメリットもありますが、
すぐ帰れる、すぐ食事がとれる、検査中会話ができるなどのメリットが魅力です。
- 大腸内視鏡
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「もう二度としたくない」「お産より辛かった」・・・よく耳にする大腸内視鏡検査の評判です。
しかし、内視鏡機器の進歩、医師の挿入技術の向上で、「思ったより楽」「これならまた次回も」と言っていただけるほど大腸内視鏡検査のイメージがアップしました。
わたし自身何度か検査を受けていますが、検査よりむしろ検査前に飲む2Lの下剤の方が脅威です。
当クリニックでは日本消化器内視鏡学会専門医・指導医であり、10数年の大学病院での経験を持ち、
なお且つ自身が数回の検査経験者である医師が、患者さんの様子を伺いながら丁寧に検査を行います。
挿入時の余分な空気注入を避け、腸管の走行に合わせ、腸管をたたみ込むことにより「楽」な検査を心がけております。
しかし、数回の腹部手術後の癒着等により、「楽」な挿入が難しい場合にはご希望により少量の鎮静剤を使用しながらの検査も可能です。
NBIシステムを搭載した光源装置、ハイビジョンモニターを使用して鮮明な画像から早期がんの発見に努めています。
日本の大腸がんの診断・治療は、世界でトップレベルです。早期で見つければ必ず助かる病気です。
そのためには、検査のイメージを良くしていただき定期的に検査を受けていただく。大腸がんは治せる病気です。
苦しい検査は、患者さんを必要な検査から遠ざけ、早期発見、早期治療の道を閉ざします。胃と大腸については定期的な内視鏡検査を受け、積極的にがんの早期発見をしていくことがとても大切です。